これから自由研究・課題研究を始める中学生・高校生の皆さんへ

科学は自然の法則を明らかにする学問です。
しかし、すでに明らかにされたものに比べて、まだ分かっていない法則の方が、はるかに多いのです。むしろ、なにが分かっていないのかさえ、分かっていない、という深みを科学は持っています。

新たに法則を見出そうとするときにまず必要なのは、これまでに何が明らかにされているのかを知ることでしょう。すなわち、すでに明らかにされた法則を用いながら、まだ良く分からないことを探求するのが科学的な態度です。

このデータベースには、もしかすると、これから自由(課題)研究をしようと思う題材や、その研究に使える方法が、載っているかもしれません。その時は、大いにその報告(作品)を活用しましょう。
ただし、自分で論文やレポートを作るときには、すでに報告された作品の題、著者、どこで発表されたものかを、しっかり書き込むことが必要です。
科学は、先人の見出した法則や方法の上に、少しずつ新しく積み重ねていくものですので、先人に敬意を表して、それを引用しなければなりません。

自由研究の課題に、すでに報告されたものがあるならば、同じ観察や実験を繰り返してみるのも、良いことです。これは「追試(ついし)」と呼ばれる作業で、先端的な科学でもよく行われています。追試して、同じ結果が得られれば、引き続き、その研究を発展させることができます。
しかし、場合によっては同じ結果が得られないこともあります。その時は、自分の観察・実験方法が、報告されたものと完全に同じかどうかを確認して、いろいろと試してみることが必要になるでしょう。
それでも同じ結果が得られないときには、なぜそのようなことになったのか、いろいろ可能性を考えながら、さらに研究を深めていくこともできます。
このような作業は、まさに今日の科学においても続けられているものです。

「科学」が誕生して以来、様々な見方、考え方が報告されてきましたが、その中には、今日の理解や考え方には必ずしもそぐわなくなったものがあります。
しかし、だからといって、過去の研究者の歩みや努力が否定されることは決してありません。

このデータベースのレポートの中にも、互いに違う結果を得たものや、異なる結論に至ったものが含まれているかもしれません。しかし、その違いだけを取り上げて、問題にするのは適切ではないと考えます。
大切なことは、最善を尽くして実験・観察を行い、その結果を正直にとらえ、示すことです。決して捏造(ねつぞう)を行ってはなりません。

このデータベースをご覧・ご利用になる保護者の皆さんや先生方へ

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